○モノが売れない環境
あなたは何かを購入するとき、誰かに言い訳をしますか?
ご家族に? そしてあなた自身に?
何かを買えば何かを捨てなければならない。
買うことはゴミを増やすこと。
買うことは罪…。
そんな声さえ聞こえてきます。
大抵のものはすでに持っている。
そんな時代にもし何か買おうとするなら、その商品を使うことによってより良い暮らしが作られる。そんなことを望んでいるはずです。
・もっと時間が短縮できる
・もっと電気代が安くなる
・もっと快適に眠れるとか などなど。
ここで望んでいることを叶えてくれると実感すること。それが明確な「買う理由」です。
つまり、明確な「買う理由」を提示した商品・サービスでなければ、お客様は財布を取り出す決断には至りません。
では「買う理由」の裏返しは何でしょう?
それはお客様が持つ「課題」です。
「課題」とはマイナスなことだけではありません。
今のままでも問題ないだけれど、より良い環境が作りたい…など、プラスに向けての課題もこれに含まれます。
お客様の「こうだったらいいのになぁ」を叶えてあげることが、「課題解決」。
その「課題解決」そのものが、お客様の「買う理由」になるのです。
○優れたデザイナーがとる3つの行動
絵を描くことがデザイナーの仕事ではありません。
優れたデザイナーほど、絵を描く時間は短く、その手前での、お客様の課題を見つけ、解決方法を考える作業に膨大な時間と労力を費やします。
つまり、優れたデザイナーがとる行動とはズバリ。
① お客様の課題を見つける
② 課題の解決方法を提案する
③ 課題解決の具体的な手段をデザインに落とし込む
この3つです。
お客様のニーズや課題「こうだったらいいのになぁ」を見つけ、その解決策を考え、具体的なデザインに落とし込む。
その提案内容を絵型に描き表したものがデザイン画であり、そこには「なぜそんなデザインなのか?」というたくさんの理由が込められています。
それをチーム内に説明し、共有し、サンプル作成へとステップを進める。
デザイナーの仕事はこのように流れていきます。
このような思考はプロダクトデザインではごく当たり前な考え方ですが、アパレル業界にはあまり浸透していないように思います。
広く・浅くターゲットを狙うかつてのマスマーケティングの時代とは異なり、お客様と向き合い、深くコミュニケーションしていくマーケティングが必要とされている時代。
アパレル市場にいるお客様の価値観も大きく変化しています。
モノが売れない時代。価値観が変化したお客様により刺さる商品・サービスを届けるために、「こうだったらいいのになぁ」を叶える「デザイン」が、今後ますます求められていきます。
そのためにも、デザインの意味とデザイナーの役割をしっかり理解して、業務の効率化を図っていきましょう。
●まとめ
・モノが売れない時代
商品・サービスを買うには明確な理由が必要
・優れたデザイナーがとる3つの行動
課題を見つける → 課題解決方法を提案 → デザインに落とし込む
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