作者

Sumiko Ikemi

日付

2015/08/17

カテゴリー

デザイン

タグ

ブランディング

アパレルの企画業務には、絶対必要なマップが3つある。れらのマップの目的は、ただ1つ。情報を整理すること。この視点に立って必要なマップについて考えていこう。



アパレル企画に絶対必要な3つのマップ

マップを作ることは目的ではない。
マップを作ることで情報を整理し、関係者全員が共有することが目的だ。

アパレルのみならず、情報は散乱しやすい。ましてや企画進行中にさまざまな情報が飛び交うので、迷ったり混乱することも度々ある。
だからこそ、情報をはっきりとしたイメージで固めておく必要がある。

情報マクロからミクロへ。

企画をスムーズに進行するための、情報を整理することを目的とした3つのマップについて、それぞれの[目的]と[手順]を記載したので参考にしてほしい。




①シーズンコンセプトマップ
ブランドコンセプトに合わせたシーズントレンドをビジュアル化したイメージマップ。


[目的]
・ブランドに合ったシーズンコンセプトを明確にする
・シーズンコンセプトを関係者全員が把握する
・個々の作業レベルで迷いが生じたときに立ち戻れる場所をつくる


[手順]
1. ジェネラルなトレンドをつかむ
2. ブランドにマッチする要素をキーワード化して整理する
3. ブランドのためのシーズンコンセプトを文章化する
4. 文章化したシーズンコンセプトをビジュアル化する

[POINT]
完成したビジュアルマップは、全員が見られる場所に貼っておく。




②カラーストーリーマップ
月別に推移するカラーストーリーをビジュアル化したイメージマップ。


[目的]
・シーズンコンセプトに基づいたカラーストーリーを明確にする
・店頭を毎月イメージ刷新するために月別のカラーストーリーを関係者全員が把握する
・企画だけではなくVMDプランやPOP・販促などの計画に役立てる


[手順] 
1. シーズンコンセプトをベースにカラーストーリーをまとめる
2. カラーストーリーを月別に分割する
3. 月別カラーをマップ化する


図のように、ベーシックカラーとアクセントカラーに分けて表示するとわかりやすい。

梅春の企画はアクセントカラーの色数を抑えめにし、盛夏ではアクセントカラーが多くするなど、月毎の強弱も把握しやすい。


[POINT]
完成したビジュアルマップは、全員が見られる場所に貼っておく。



③MDマップ
シーズンを通じて展開される商品の全体像(マーチャンダイジング)を整理したビジュアル化したマップ


[目的]
・企画の進捗を関係者全員が把握する
・修正や変更内容がわからなくならないようにする
・企画から売り消しまで全体の流れを俯瞰できる
・コストを含めた数値管理の全体像を把握できる

[手順]
1. 必要な項目を決める
(素材・カラー・デザイン画などに加えて必要な内容を書き出す)
2. リードタイムの長い素材軸を中心にまとめる
3. 項目ごとに情報を入れる
4. 企画ミーティングやサンプルチェックで発生した変更や修正を直ちにマップに反映させる


[POINT]
企画の進捗内容を更新するマップだが、企画スタート前にフレームだけは必ず完成させておく。
ミーティングの後すぐに更新作業を行う(後回しにするとわからなくなるため)。
完成したビジュアルマップは、全員が見られる場所に貼っておく。


このように、これらのマップで情報が整理されることで、詳細を担当者に聞かなくても、MDや事業部長など、管理責任者も全体像を把握することができる。

これらの準備が整ったところで、通常の企画業務をスタートさせよう。