概要

・契約先企業  株式会社三陽商会 東京都
・カテゴリ   バーバリーブルーレーベル(ヤングカジュアル・メンズ)
・依頼内容   シーズンディレクション・チーフデザイナー・VMD・アプルーバル
        ※新カテゴリ立ち上げ
・担当者数   1名 郡 成司 
        クリエイティブディレクター・VMDディレクター・アパレルデザイナー
・期間     1998-2003



支援前の課題

このブランドがターゲットとしていた顧客の年齢が時代とともに上がり、50代が中心層になってきていた。
今後のマーケットにおけるブランドシェアを考えたとき、若いファン層を築くことが課題であり、20代後半〜30代をメインターゲットとするラインナップの構築が急務であった。

「ターゲットの年齢層を最適化し、新たな市場を開拓する」ということを目的に、日本限定のライセンスカテゴリ(カジュアルライン)・ブルーレーベルを立ち上げることが決定したが、そのカテゴリを主導するディレクターとデザイナーが不在であり、そのポジションを任せられる人材を探す必要があった。



契約までの経緯

三陽商会内の別ブランドを担当していた知人ディレクターからの紹介。
知人ディレクターからプロフィールを役員に提案し、役員が強い興味を示したため、初回の商談をオーナー同伴でセッティング。
オーナーがこれまで手がけていた実績を評価。その場で詳細の説明があり、条件などの合意を経て、即契約。



主な支援の内容

デザインディレクター・チーフデザイナーとして週5日ほぼ常勤勤務。
シーズンディレクション・素材開発・デザイン画作成・サンプル職出し管理・サンプルチェック・ウィークリーVMD 他




支援のプロセス

01. 契約後はじめにやったこと

まず、ターゲット層にとってカッコいいとされるマーケットをリサーチ。
当時は、トラッドかロックかミリタリーかスポーツ系(スケート・サーフ)かに区切られていたが、特にターゲットする原宿を歩く男性25歳〜35歳が今何をよしとしているかに着目。ディレクターとして新しい方向性と新しいテイストで進むマッピングを構築。
グローバルブランドなので、いくら売れているテイストでもそう簡単に取り入れることができないため、そのブランドが持っている本質的な魅力と、売れるテイストを掛け合わせた着地点を見つけることがキーとなった。
その後、本国へのアプルーバルが必要となるため、ロンドンのオフィスを訪問し、交渉。
グローバルラインにないカテゴリとデザインテイストだったため、アプルーバルを通すプロセスは特にデリケートな会話が必要で、苦労したことを記憶している。



02. 次に取り組んだこと

新ブランドの方向性を日本・本国ともにアプルーバルを取り付けた後、デザイナー、パタンナー、テキスタイルデザイナー、MDの4セクションを束ねるディレクターとして新チームを構築。
すぐにMDから今期の目標数字をヒアリング。
MDは数字の管理に集中するにあまり、戦略的な半期のイメージマップが作れていなかったため、数字達成を前提としたデザインの方向性、ラインナップ数と数量を落とし込んだイメージマップを作成し、社内決済をとる。



03. 方向性が定まってからは

アシスタントデザイナーに、決まったイメージに沿ったデザインの幅出しを指示。
パタンナーには、ディレクションと各デザイン画に沿ったパターンの作成を指示。
テキスタイルデザイナーにも同等の方向性で、素材収集を指示。
それらを統合して、ファーストサンプルを仕上げる。
週に1回は、原宿にあったショップ店頭ディスプレイのコーディネートもチェック。
これらのスタイリングを軸に各店の店頭VMDのディレクションも行う。
店頭のイメージ統一と、商品と売り場イメージのマッチングが功を奏し、売上が向上した。


支援の効果

ブランドアイデンティティを「時代性」と「ターゲットの価値観」にフィットさせ、ブレない店頭表現を行うことで、ユーザーのリアクションは瞬時に変わった。
新しいブランドイメージはターゲット層に定着し、拡大していった。
息を吹き返したこのブランドは、従来のユーザーも離れることなく、『マーケット拡大』という結果をもたらし、売上は100億規模まで成長した。




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