●トレンドとは何か?
アパレルの仕事をしていて、トレンドと言えば…。
「来季売れる色は?」
「売れる柄は?」
「売れるシルエットは? ガウチョパンツはどうなる?」などなど。
アパレルのシーズンの立ち上がりには、必ずこんな会話になる。
「当たる? はずれる?」のような、八卦見(はっけみ)みたいな感覚もあるし、「ハズしたらどうしよう…」という不安もある。
本来トレンドの意味はそうではないし、そうであってはならない。
ある日突然、新しい傾向が現れるわけではなく、トレンドはすべては、前シーズン、前々シーズンから、ちゃんとつながっている。今という瞬間が単に切り取られているだけなのだ。
流れで掴めば、恐れることは何もない。
Wikipediaによればこんな感じだ。
時代の趨勢、潮流、流行のこと。
ファッション、マーケティング、経済動向分析などの分野でよく使用される。…
個々の流行の意味でも使われるが、長期的に見て人々が求めるものや、時代の要請を探り、次の計画や企画に生かそうといった趣旨で使われることも多い。
我々はこうとらえている。
トレンド = 「時代の流れ」「うねり」「消費者心理の移り変わり」
とはいえ、難しく考えず、今までよりちょっとだけ引いた目線でトレンドを見てほしい。
たとえば、アパレル市場には、 直近のトレンドとして、「70年代・ヒッピー・グランジ」というキーワードが多く出てきた。そんなとき、「なぜいま70年代なのか?」…という疑問を持ってみると良い。
1970年代は、ベトナム戦争が起こり、アメリカ国内で反戦運動のムーブメントがあった。
政治も信頼できず、混沌としたその時代が、今の時代にシンクロしている。
Woodstock、ヒッピー族、グランジテイストのファッション、サイケデリックなグラフィックなどなど。
すべては時代背景に人の心理を映し出している。